ちえチュウが車を買って1年以上過ぎた。
ある日、仕事が終わってから映画を見に行くことになり、ちえチュウがマイカーを出してくれることになった。
ところが雨が降り出してきたのである。見る見るフロントガラスが曇りだし、助手席に座るひなたに「これで窓を拭くでチュ!」と雑巾を手渡した。
「雨が降るとすぐにガラスが雲って大変でチュ。明日ホームセンターへ行って曇り止めスプレーを買うでチュ」とぶつぶつ良いながらまっすぐ前を見て運転しているちえチュウ。
「普通、車って、フロントガラスが曇らないように際のところから風が出てくるんじゃ無いの?」とひなたが聞くと「それは社長が乗っている高級車の話でチュ!ちうの車にそんな上等な機能があるわけないでチュ」としょんぼりするちえチュウ。
しかし目のはじっこにひとつのボタンが目に入った。
「このボタンは何でチュかね。。。押したこと無いでチュ」「押してみれば?」と浅野(仮名)の声におそるおそるボタンを押したちえチュウ。
「ごーーーーーーー」とフロントガラスとダッシュボードの際から風が吹き出し、あっという間にフロントガラスの曇りが取れたのである。
「ちうの車にも曇り止めがあったでチュ!危ないとこでチュ!曇り止めを買うとこだったでチュ!早まらなくて良かったでチュ!」
目をきらきらさせながら嬉しそうに叫ぶちえチュウ。
きっとこの車には、ちえチュウが知らない機能がまだ他にもあるに違いないと思う、ひなたと浅野(仮名)であった。