ちえチュウマウス
ちえチュウマウス

ちえチュウがかもねぎハウスの一員になってはや半年。時々浅野(仮名)にだまされながらも、毎日せっせと仕事をこなしていた。

「あれっ?突然動かなくなったでちゅ」以前のちえチュウならそれだけで大騒ぎしたものだが、今は違う。

「こう言う時はまず、option+コマンド+escでアプリケーションを強制終了して。。。」「あれ?やっぱり動かないでちゅ。んじゃ次は、CTRL+コマンド+パワーキーで、再起動でちゅ。この間にポッキーでも食べるでちゅ」
たいした余裕である。

ちえチュウマウス

ところが、再起動してもいっこうにモニターのポインターが動かないままである。「あれれ?おかしいでちゅ?マウスがぜんぜん反応しなくなったでちゅ」以前のちえチュウならここで大騒ぎしたものだが、今は違う。

「こう言う時はマウスのケーブルを確認するでちゅ」しかしケーブルはしっかりささっていた。

「キーボードは反応しているけど、マウスが反応しないでちゅ。そうか、マウスが壊れちゃったんでちゅね。そういえばこの前、ひなさたんもマウスが壊れて替えていたでちゅ。チュウも新しいマウスに替えるでちゅ」

「社長!新しいマウスを買って欲しいでちゅ!」
「マウス?壊れたのか?」
「はいっ、ちっとも動かなくなったでちゅ」
「君はここへ来てどれくらい経つかね?」
「半年でちゅ。最近は浅野さん(仮名)のウソにもひっかからなくなったでちゅ」

「それで、君はここへ来てマウスの掃除を何回したかね?」

「掃除?マウスを掃除するのでちゅか?」
「ほほー、一度もやっていないのだね。そりゃあ動かなくなるだろうとも」

ちえチュウマウス

ちえチュウは初めてマウスの裏を見たのであった。

「あ、ねじったら蓋が開いたでちゅ!」

半年の間毎日使っていたにもかかわらず、一度も掃除したことが無かったちえチュウのマウスの中は、ゴミが固まって真っ黒けになっていた。

「ピンセットで中のゴミを綺麗に取ったら、ボールは中性洗剤で綺麗に洗いたまえ」
言われたとおりにマウスを掃除したちえチュウは、綺麗になったマウスをセットした。
「動いたでちゅ!」

「あ、もしかしてキーボードも掃除しないといけないでちゅか?」

「キーボード?キーボードの掃除はしたことはないが。。。」
「チュウのキーボードはenterキーが堅くなっているでちゅ。あと他にも押しにくいところがあるでちゅ」
「堅い?」

確かにちえチュウのキーボードは所々堅くて押しにくいところがあった。社長は自慢の七つ道具を取り出し、キーボードを開けてみた。

ちえチュウマウス

するとそこにはビスケットや、ポッキーのかけらがきっしりと詰まっていたのであった。

ちえチュウが厳重に注意を受けたのは言うまでもない。

以後ちえチュウは仕事中におやつを食べるのを禁止され、引き出しの中に隠し持っていたおやつの数々を没収されてしまったのである。