ストレス発散

普段何も考えずに行動する「キングオブざっくり」な私でも、1年に一度くらい悩むことはある。さらに10年に一度くらいはずっしり落ち込む。(誰も信じてくれないが)

先日軽く落ち込む事が起きた。原因は色々なことが重なって、ひとりでどろろ〜〜〜〜〜〜んと落ち込んでしまった。(どろろ〜ん、なんて言っているあたり、まだ余裕のようでもあるが)

そんなときトンネルから脱出するためには、思いっきり泣ける映画を見て大泣きする。(「2代目はクリスチャン」「ニューシネマパラダイス」など。間違っても「フランダースの犬」は、この場合本気で立ち直れなくなるから見られない)涙を流すのは私的には結構ストレス発散で効果的である。

それでもダメなら誰かとバカ話。この場合一番効果的な友人は、漫画家の「高梨くみ」か女優の「キムラ緑子」である。この2人には足を向けられないくらい、今まで本当にお世話になっている。何でも話せる有り難い友達である。

この日のターゲットは何となく「キムラ緑子」だった。ところが、藁をもすがる思いで電話したにもかかわらず、電話口に出てきたのはご主人の「マキノノゾミ」さんだった。「あれ?珍しいね。(いつもは仕事場にいて殆ど自宅にいない彼)どりちゃんは?」「それが。。。」なーんと彼女は私の必死の思いも知らず、イギリスへホームステイしてやがった。

とはいえ、ご主人であるマキノ氏も、つい最近「鶴屋南北賞」を受賞されたばかりである。軽くお祝いを言い、久しぶりにのんびりお話出来て随分気持ちも落ち着き、どりちゃんとはまた今度ゆっくりおしゃべりするかぁと思った。しかし「良かったら掛けてみて」とイギリスの携帯番号を教えてくれた。せっかくなので、試しに電話してみた。

海外に電話なんて、しかも携帯なんて、初めての事でどきどきであるが、何事も経験と、ちょっぴり冒険な気分でわくわくしている。この時にはすでに憂鬱な気分もすっ飛んでいた。「イギリスかぁ、何を買ってきて貰おうかなぁ」頭のなかではいろいろな物がぐるぐるしていた。しょせん私の「憂鬱」なんてそんな程度のものであった。

「Hello」関西弁なまりの英語が聞こえた。
「あ、どりちゃん?わたしわたし。元気?」
「げーっ?なんでー?なんでー?」
私からの突然の電話にかなり驚いた様子だった。
「イギリスって聞いて、おもしろそうやから電話してみた。がはは、驚いたか」
「もう、今、地下鉄の乗り放題チケットの売場がわからへんで、むっちゃ不安やってん。声が聞けて嬉しい!」と、歓迎の声。

この突然の電話をかなり喜んでくれているみたいであった。そんなに喜んで貰えたら私も嬉しい。ドキドキしながらの初めての国際電話も良い感じではないか。

暫くバカ話したのち電話を切ったら、なんと30分も話していた。なのに頼むつもりだった買い物を伝えるのも忘れていた。うっ、国際電話でしかも携帯に掛けたらどれくらい料金がかかるの?一瞬にして青ざめた。しかしすでに気分は明るくなったので、これで元気に戻れたのだから電話代くらい安いもんぢゃないかと自分に言い聞かせつつも、こっそり「国際電話料金一覧」のページにアクセスしてしまった小市民な私。

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