ビバ!豊寿司

かもねぎハウスで、いつもお世話になっているお寿司やさんがある。

普段は配達をお願いするのだが、たまにはおばさんの顔が見たいのでお店にまで出かけるのである。

ここのおばさんは、関西のおばさんらしく、明るくおおらかで楽しい。「おばさん」と言うと「どこにおばさんがおるねん?私のことやったらお嬢さんって言うてもらわんと」と、じつに基本的な突っ込みをされてしまうのである。

ある日、久しぶりにお寿司やさんへ行くことになったが、プログラマーの留め吉だけがどうしても手が放せず、お留守番と言うことになった。可哀想なので、お持ち帰りを詰めて貰う約束で出かけた。そこでひなたは「茶碗蒸し」好きな留め吉のために、なんとか茶碗蒸しもお持ち帰りに作って貰えないかと、ダメもとで「マグカップ」を持参したのである。

マグカップを見たお店の「お嬢さん」は「何それ?それにお酒入れて飲むんか?」と注文を聞くより先に聞いてきた。「いえ、お留守番の為に茶碗蒸しのお持ち帰りを作って貰えないかなあ。。。って」と言い終わらないうちにマグカップを奪い取り、厨房へ持っていってしまったのである。

お酒がつがれて出てきたらどうしようかと、びびりながらも、楽しく美味しいひとときを過ごした。

そして、帰りにお持ち帰りのお寿司と特製マグカップ茶碗蒸しを受け取った。マグカップの茶碗蒸しは、普通の茶碗蒸しの1.5倍はある感じだった。

「留守番は男の子?」と聞くので「そう」と言ったら「ほなこれも持って帰り。その子によろしゅう」と袋いっぱいにお煎餅までくれた。さらに「あんたらが食べたらあかんで。お留守番の彼にあげてや」と念をおされた。

帰りの車の中で、袋の中身が半分に減ってしまっていたことは、内緒にしておこう。

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