大きな手

ひなたは、身長の割に手足がでかい。小さい頃から「手足が大きい子は背が高くなる」と言われ続けてきたが、153センチでぴたりと止まり、皆の期待をあっさり裏切った。

どれくらい手が大きいかというと、ピアノなら1オクターブは余裕でとどき、もう2、3音くらいはいけそうである。夫と手をくらべっこすると、私の手の方が1センチ程大きい。

「大きい手は、掴み取りにはもってこいでしょ?」こう言うことをおっしゃる方が非常に多いが、とんでもない。掴み取りでたくさん掴んでも、箱の入り口が狭いので、程々にしておかねば手が抜けないのである。世の中そう甘くはない。

さらに最近の自動販売機の取り出し口には、ほとほとまいっている。
どういうわけか、缶ジュースの取り出し口にはいろいろなガードがついていて、必ず手を擦ってしまうのである。
缶ジュースを買うたびに生傷が絶えない私の手は、擦り傷だらけである。

大きな手