社長が泣いた日

かもねぎハウスのスタッフはなぜか女性が多い。

社長と伝兵衛と流しのプログラマー留吉以外は、外注スタッフも含めてすべて女である。
女ばかりが集まれば、何かともめ事も多そうなモノだが、そんなことは一切無い。なにしろ集まっている女性は全員、実に「男らしい」性格なのだ。従って、女性らしい心配りも一切無い。事務所はいつも伝毛が舞い、パブリックスペースのテーブルの上も散らかっている。お客様が来られるとわかっている時だけ慌てて片づけるのである。

一度でも事務所に来られたお客さんは
「いや〜、かもねぎさんって、いつ来ても、とても女性ばかりの事務所とは思えないくらい汚いですねえ」
と、実に気持ちの良いほど遠慮なくおっしゃる。(それも大掃除した後だったりするのに)

しかし、実状をご存じ無いお客様は、社長に向かって
「毎日女性に囲まれてらっしゃるんですよね〜、実にうらやましいですよ〜」
とおっしゃるそうである。

電話を切ったあと、社長は本気で泣いている。

社長が泣いた日