伝兵衛は雷が嫌いだ。雷に限らず、夏の花火も怖いらしい。
時々「かすかに」聞こえてくる「ひゅーーーーーーーっ、ぱーーーーーーん」と言う音でさえ飛び上がり震えだす。

事務所では普段全身の力を抜ききってだらけている伝兵衛だが、遠くの方で雷の気配を感じたらもうダメ。ちえチュウの机の下に潜り込み、ぶるぶる震える。
しょうがないからちえチュウは、伝兵衛の両耳をばふばふさせながら「聞こえません聞こえませーん。雷なんて聞こえないでちゅー」とでたらめな歌を歌ってやらなければいけない。

それでも伝兵衛の震えは止まらず、パニック状態になり、おろおろしてOAタップの電源を踏みつけてしまう。
「なんてことするでチュ!作りかけのデータが飛んだでチュ!」震える伝兵衛の尻尾を掴み、机の下から引きずり出すちえチュウ。

すると伝兵衛は浅野(仮名)の机の下に潜り込みに行くが、ここでも断られる。
行く先々で拒まれる伝兵衛。最後は何故か社長によじ登り、社長の雷が落ちる。

雷の季節。かもねぎハウスのいつもの光景であった。

雷