今年も夏が来る。もうすでに気温が高くなり、伝兵衛はハアハア言い出している。 なので、今年はちょっと早いが毛刈りを決行した。
去年に引き続きバリカンで長さ5ミリまで全身カット。すると、ちょっとゴールデンが入っている「ばったもんのリトリバー」が出来上がる。
毛を刈ると伝兵衛のボディはやけに細く色白になり、なんだか貧弱であるが、本人は身軽で涼しそうである。散歩中、道行く人に「その犬は、なに犬?」と聞かれることを除けば快適である。
しかしいくらボディがすっきりしても顔の毛だけはカットできず、そのままになる。すると妙に顔だけ色黒さんになるのである。後ろから見れば毛をカットした部分とカット出来ない短い毛の部分の境目が出来てしまった。これを見たちえチュウが「顔みたい」と言って、紙で眉毛と目を作り、伝兵衛の後頭部に張り付けた。
最近の伝兵衛は後ろにも顔があるのである。言うまでもないが、散歩の時は外している。しかし宅急便のお兄ちゃんが来た時伝兵衛はそのまま出迎える。するとお兄ちゃんは「何つけてんねん、おまえ」と笑いながら、とれかけている眉毛をちゃんと付け直してくれる。
ユーモアのわかる親切なお兄ちゃんだ。