破局

伝兵衛と婚約中の和美ちゃんは、お昼ご飯を買いに行った時には必ず、伝兵衛の為に竹輪を買ってきたり、伝兵衛がお漏らししたらあとを拭いたりと、かいがいしく伝兵衛の世話をしていた。

そんなある日、お昼ご飯に、浅野と和美ちゃんから「臭い!!」と激しくブーイングされながらも社長が納豆を食べていた。その隣で伝兵衛はくんくんと納豆のカップを臭っていたら「おっ、伝兵衛も食うか?体にいいぞー」と、少し伝兵衛のお茶碗に納豆を入れてやった。
すると伝兵衛はぺろりと納豆を食べてしまったのである。

それを見た婚約者の和美ちゃんは「いやーっ!伝ちゃん糸ひいてる!!納豆なんか食べて信じられへん!!伝ちゃんなんか嫌いや!もう婚約解消する!」
わずか一週間で伝兵衛は婚約を解消されてしまったのである。

「伝兵衛すまんことしたなあ。まあ、あんまり落ち込むなよ。」と社長は伝兵衛の肩を叩いた。そして伝兵衛は、嬉しそうに納豆の空き容器を嘗めていた。

破局