ひなたの家が留守の時には、伝兵衛はスタッフの浅野宅に預けていた。
浅野のお母さんは結構犬好きで、「パン食べるか?」「ちくわはどう?」「お肉焼いたろか?」などと、伝兵衛をかなり可愛がって(甘やかして)いたそうである。
そしてそんな母を見て浅野は、母の日のプレゼントに子犬をプレゼントしてあげると言ったら「犬なら、みささぎ(ひなたの住んでいる住所)で飼ってます」と言われたそうである。
伝兵衛は浅野さんちの犬だったらしい。私は伝兵衛を「浅野さん」と呼んでいる。
そうかと思えば、お隣の花房さんは伝兵衛に牛乳やおやつを下さるだけでなく、最近ご主人が運動不足と言うことで、一家揃って伝兵衛を散歩に連れて行って下さる。まるでお隣の犬のようである。
と言う訳で、だんなは伝兵衛のことを「花房君」と呼んでいる。この調子で行けば、伝兵衛の名字はまだまだ増えるかもしれない。