花ちゃんの母性本能

最近ひなたの実家では、花ちゃんに加えて近所の子供が拾ってきた雑種を一緒に飼っているらしい。
今まで蝶よ花よと大事にさてれいた花ちゃんは、子犬の出現ですねたりしないのかしら?と、少し心配したのだが、全く大丈夫のようだった。

子犬が池にはまりそうになると、ちゃんとくわえて安全なところまで運んでやったり、お向かいのマンションの方から「喉の手術でもなさってるんですか?」とまで言われた無口な花ちゃんが、子犬が悪さをした時に限り「わん」と、教育的指導をしているらしい。
花ちゃんはすっかり子犬のお母さんになったつもりで、誰に教わった訳でもないのに、ちゃんと面倒を見ているそうである。動物の母性本能というのは、たいしたものである。

それに引き替えうちの伝兵衛の奴と来たら、何度言っても靴下やタオルをはぐはぐして、糸や紐を飲み込んでしまい、トイレの時に糸が絡まって、お尻からうんちをぶらさげたまま、すがるような目で私を見るのであった。

花ちゃんの母性本能