そもそも犬に興味を持ったのは4〜5年くらい前だったと思う。
きっかけはNECのCMだった。画面の真ん中に犬が座っていて、男の人が犬の耳をぺろっとめくり、「NECの特別セール開催中」みたいなことをこそこそと耳打ちするというCMだった。

それを見たダンナが「あの犬かわいいぞー」と言いだし、犬の種類を調べ「ゴールデンリトリバー」が近いんじゃないかなと言うことになった。そして犬を飼いたい攻撃が始まったのだが、ダンナが世話をしないのは見えていたので、私は反対していた。
そうこうしているうちに94年の秋、CD-ROM「もみの木の下で」と言う作品をリリースする事になり制作に入った。

このお話はサンタさんたちと一緒に暮らすことになる「子犬」を中心としたお話にしようと思っていたので、子犬の資料に「ゴールデン」の写真集なんかを集め「かわいいなー」と、しみじみながめながら仕事していたら、CD-ROMが完成する頃には犬を飼う決心をしていた。
知り合いのブリーダーさんとかにいろいろアドバイスをしてもらい、94年の12月25日、クリスマスの日に伝兵衛は家にやって来た。

体重2キロの片手に乗るほどの大きさだった彼も、この11月23日で2才の誕生日を迎え、体重も40キロ近くなった。
大人になった今でも嬉しいとお漏らしをしてしまい、留守番が大嫌いで、いつも誰かのそばにぴたっとくっつて座り、かまってもらおうと靴下をくわえてわざと目の前をうろちょろしたりする。
伝兵衛が来てからというもの、遅くまで外出すると気になるし、なかなか旅行にも行けないし、徹夜明けの散歩はきついし、うんちがゆるゆるだと心配するし、ものすごくいろいろ大変だったりする。
それでも伝兵衛に出会えてとても良かったと思っている。

結局今でもあのCMに出ていた犬の種類は何だったのかはわからない。