最近伝兵衛をかわいがって下さっている獣医さんがおっしゃった。
「大人のゴールデンで、飼い主以外にこんなに懐いてくれるのはなかなかいないです」と。そういや、確かによそのゴールデンはみんな、こちらが声を掛けてもよそよそしく「上品に愛想を振る」程度で、うちのバカみたいに「全力」では向かっては来ない。
でもそれは、伝兵衛が「おばか」だからだと思っていた。
いや、しかし、ふと思えば、うちは人の出入りが激しく、伝兵衛は小犬の頃からいろんな人に可愛がって貰っている。一緒に住んでいるのは私と夫だけだけど、今の場所に事務所が移る前も自宅にはいろんなスタッフが毎日出入りしていたし、時には泊まり込んでタコ部屋にもなっていた。
ご近所の方も「何人で住んでるの?いったい誰が家族なの?」と最初の頃は混乱なさっていたくらいである。(しかも出入りしている人間の中で、私と夫が一番夫婦に見えず、意外な組み合わせで大穴だったらしい。ちなみに職場でも夫婦だと思われず、時々驚かれる方がいらっしゃる)
伝兵衛はいつも、来る人来る人みんなに可愛がってもらい、ご近所の方々にも可愛がって貰っている。
事務所が移ってからも運送のお兄さん、ガスの検針のおばさん、郵便局のおじさん、そしてクライアントのみなさん。みんなに頭を撫でて貰って過ごしている。
かもねぎ会議の結果(?)もしかしたら奴には「家族」という概念が無いのか「撫でてくれる人は、みんな家族」と思い込んでいるのかもしれないという事で落ち着いた。
撫でてくれる人はみな家族で、パンをくれる人はいい人なんだな。きっと。だから飼い主(いちおう)や、いつも一緒にいるスタッフに拘らず、かまってくれる人には「全力で」懐くのかもしれない。だからどこにお泊まりしても安心して「へそ天」で爆睡出来るのかも。
こんなに溺愛して、布団を取られても堪え忍んでいるひなたの言うことを全然聞いてくれないのは悲しいけど、みんなに可愛がられてそれなりにご機嫌だから、まあいいか。
ノーベル平和賞は貰えないだろうけど、今日も伝兵衛は元気に「受付主任」「営業部長」業務に加え「平和大使」として日夜スタッフのパンを狙いつつ愛想を振りまいている。