いつも来るクロネコさんのお兄さんは、犬嫌いだったようで、最初の頃は大変だった。
下のドアが開くたび伝兵衛が「わんわん」と、誰か来たのを知らせる様に吠える。するとお兄さんは階段を上がって来ることなく、下の方から「すいませ〜ん」と叫んでおられた。事務所は3階。

しかし数年経ちお兄さんは徐々に伝兵衛に近づき、近頃では何も迷わず事務所の中に入ってきて片手で荷物を抱え、片手で伝兵衛の頭を撫でている。
お兄ちゃん、犬嫌い克服した？

うちの事務所は犬嫌いだとかなり大変な苦行の場となる。伝兵衛は決して噛むことはないのだけど、体当たりしてきてじゃれてはしゃぎ、顔を嘗めたがる。
そういや、伝兵衛が本気で怒ったところを見たことがない。餌を食べてる途中で巻き上げられても怒らず悲しそうに見るだけだし。

以前実家で飼っていた犬は、餌を途中で取ったら思いっきり噛みやがった。（何やってんだ？＞自分）母親に怒られたのは言うまでもない。「あほか、お前が悪い。犬に謝れ」だって。

そんなわけで、かもねぎハウスでは、学校なんかに張り出していただく「就職募集要項」の備考欄には「事務所内に大きな犬がいます」と一言書き添えてある。
今度はもう１行付け加えないと。。。「面接はスーツではなく、舐められても良い服装で」

いい人が見つかると良いなぁ。