最近夜になると床を掘ったりうろうろ落ち着かない伝兵衛。
原因はご近所の方々が玄関に吊しておられる「紫外線虫除けランプ」である。このランプ、紫外線に蚊や虫が惹き付けられて寄っていき、ランプに当たって昇天という代物である。で、虫がランプにあったとき「ぱちっ」っと音がする。

きゅうきゅうに住宅が密集しているご近所。静まりかえった夜中だと、戸を閉めていても聞こえるくらいの音量だ。人間はとくに気になる音ではないのだけど、伝兵衛はこれが異常に気になるらしく、音が鳴る度「びくっ」としてうろうろする。

そんなわけで、夜になるとうろうろして落ち着かず、私たちの睡眠を邪魔するのであった。
しかし、そうそう耳をぱたぱたさせて「何も聞こえなーい、聞こえませーん、怖くなーい」なんてやっていられるわけもなく放っておいたら、伝兵衛なりに落ち着ける場所を探しだしたのである。
それは、ナショナルもみもみさんと壁との隙間だった。

どう見ても狭そうなこの空間にすっぱりはまってくつろいでいる。
狭くて暗いので落ち着くのだろう。これでやっと安眠出来ると思ったのもつかの間。 この空間あまりにぴったり過ぎていたのであろう。今度は出られないのである。バカだ。この犬は。

と言うわけで、伝兵衛がくつろぎのスペースからシャバに戻る時には、やはり誰かが手助けしてやらねばいけないのであった。
なんという、手の掛かる犬。げんなり。